産婦人科医やっきーのトンデモ医療観察記 ⑩
反ワクチンビジネスで金儲けをする方法(産婦人科医やっきー先生と知る反ワクチンビジネス 第二回)
前回は「反ワクチンビジネスの歴史について」をお届けしてきました。
今回は「反ワクチンってどうやって儲けてるの?」というところを深掘っていきましょう。
自分のニュースレターなら容赦なく実例を挙げて解説しているところですが、今回は大恩あるcrumiiのご迷惑にならぬよう抽象的にお話しします。
(編集部注:ご配慮いただきありがとうございます(笑)。なお、本記事は3回連載の2回目です。1回目/3回目)
(1)代替医療の推進や健康食品の販売

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もっとも分かりやすい例です。
第一回「反ワクチンビジネスの歴史を語る」で解説したとおり、天然痘ワクチンに大反対していたローリーやモーズリーも、人痘という既得権益の確保がその原動力になっていた面は少なくないでしょう。
現代だと、「ワクチンは危険だ」「自然な方法で免疫力を高めよう」という論法から、謎のサプリや健康食品を売ったり、謎の施術によって免疫力を高めたり……という形式に発展しています。だいたい添加物の類を悪者にするのも彼らに共通しています。
ちなみにそれらのサプリ・健康食品・施術は桁外れに高額なので分かりやすく、平気で月に5,000円とか10,000円といった単位のサブスクを契約させてきます。
私が過去に見聞きした面白い例として、「人間は体温を36.5℃にキープしていれば風邪もひかないしガンにもならない」と豪語する妊活指導者がいました。もちろん彼女は例に漏れず反ワクチン思想の持ち主ですが、もし本当だとしたら医療革命も甚だしいので、おそらく36.5℃をキープしているであろう彼女の鼻腔(びくう)にインフルエンザウイルスを植え付ける実験を行った場合にどうなるのか非常に気になります。
(2)情報商材や書籍の販売、講演会やセミナーの開催

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「実はワクチンにはこんな陰謀が隠されていたんです」あるいは「ワクチンはこんなに体に悪いんです」といった言説を起点として、情報商材・書籍販売・講演会やセミナーにつなげる例です。
残念ながら、「政府や学会の言うことを鵜呑みにしてはいけない」と言いながら、こういう出典不明の反ワクチン言説はなぜか鵜呑みにするバk…純粋な心の持ち主は後を絶たないため、この手の情報商材はいつまでも売れます。
もっとも、この手の陰謀論は根拠が無くとも作り話としては面白いこともあります。主に「何言ってんだこいつ」的な意味で。
大昔から医学以外の分野でもよく再燃します。アポロ月面着陸捏造(ねつぞう)説とか、相対性理論否定説とか。中身をまじめに検討するとだいたい鼻で笑わざるを得ない内容となっているので、思考実験やノリツッコミ的な話として考える分には面白いのですが。
(3)コミュニティ運営

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これは反ワクチン論者自身のブランディングによって、人を集めること自体でお金を生み出す、というものです。
要するに、反ワクチン思想の仲間が集まる会員制のコミュニティ運営ですね。
反ワクチンに傾倒する人間の一部には、既存の医療や行政に不信感を抱き、周囲から理解されずに孤立感を持つ人もいます。そのため、「自分と同じ考えの仲間がいる」と感じられる場は、それ自体が大きな価値を持つわけです。
……と書くとうっかりハートフルな雰囲気が出そうになりますが、やってることは公衆衛生に真っ向から反しているので私は全く肯定しません。
(4)寄付や支援金

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(2)や(3)のパターンがそのまんま「寄付や支援金による活動資金調達」にシフトしていくケースもよくあります。講演会やコミュニティ内でグッズ販売をしたり、あるいは直接的に寄付を募ったりするわけです。
さらに巧みなことに、「子どもを守るため」「国家の強制から身を守るため」などのお題目をつけて、継続的な集金につなげることも多いです。やってることは真逆なんですけれども。
(5)広告収益

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もっとシンプルに、フォロワーを多く獲得すること自体で広告収益を挙げることも可能といえば可能です。
分かりやすいところでYouTube・ブログ・Xなどの広告収益が挙げられますね。過激な反ワクチン論で再生数・PV数・インプレッション数などを稼いでいる反ワクチンインフルエンサーの中にはこれを目当てにしてやっている人間もいます。
ただし、かれこれ4年くらいインターネットビジネスをやっている者として言わせていただくと、これだけで安定して食っていけるようになるには途方もない作業時間を投下する必要があるので、効率の良い稼ぎ方とは口が裂けても言えないのですが。
私がブログを立ち上げた当初、1日4~5時間くらい毎日ブログを書き続けてましたが半年間は収益ゼロでしたので。
ちなみに、ワクチンの有効性にちょっと異議を唱える程度ならともかく、あまりにもアクセルを踏みすぎて「非科学的な発信を繰り返している」と見なされ、プラットフォームからBANされて広告収益ゼロという悲劇を招いている人も中にはいます。
(6)政治的支持者集め

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日本の国内外を問わず、非常に根深い問題がコレです。実例は出しませんが。
反ワクチンといえど当然、成人すれば選挙権を得ますので、訴求次第ですが「反ワクチン」を政策に掲げるだけで全体の数%ほどの票を得られてしまうことがあります。
大きな政党の中で埋もれるよりも、ニッチな分野で強い主張をすることで「この点において共感するからこの人を支持しよう」という支持者を集めることが期待できます。実例は出しませんが。
ともかく、入り口が反ワクチンだろうと何だろうと、政治家になれればしめたもの。一般市議でも食うに困らない程度の年収は得られますし、都道府県議あたりなら月収100万円超が当たり前の世界、国会議員ともなればそれはもう……
さらに、議員の枠を超えてもっと大きな支持層を得ることを目論んでいる場合、反ワクチン活動家を重用することで反ワクチンからの支持を獲得している大統りょ…政治家もいたりします。実例は決して出しませんが。
以上、「反ワクチンビジネスで金儲けをする方法」でした。
crumii読者の皆様はかなりリテラシーが高い部類だと思われるので、反ワクチン思想に傾倒したり反ワクチンビジネスに引っかかったりするおそれは少ないと思いますが、くれぐれもお気をつけください。
というかワクチンに限らず、違法とまでは言えないレベルの詐欺まがいビジネスはたいていこういった感じでマネタイズしているので、今後のご参考となれば幸いです。反ワクチン思想を訴える人間を見かけたら「こいつは(1)のパターンだな!」「おっとこいつは(4)か!」などと面白がってみても良いと思います。
次回はやっきー反ワクチン三部作の最終回、「今も昔も、反ワクチンの言説ってだいたい同じ」をお届けします。
本記事は3回の連載の1回目です。
1.反ワクチンビジネスの歴史を語る
2.反ワクチンビジネスで金儲けをする方法(この記事)
3.今も昔も、反ワクチンの言説ってだいたい同じ
















